ニイロの思考カイロ

2001年1月31日  はれ やや寒


午後2時前、上り電車。ここに今僕は居る。

メモ用紙を片手にずっとサボっていた「思考カイロ」の下書をしているのだ。
免許がないわけではないのだが、僕の東京での移動手段の80%は電車である。

電車は楽しい。

いろんな人がいろんな思考と生活をひとつの箱の中に持ち合わせ、一時の同じ時間と空間を共有する。
全く知らない人と、時に意に反してとてつもなく臭いオジサンとも、
恋人同士のように異常に接近する事も珍しいことではない。
しかし、今のこの時間の上り電車はそう混雑もしていなくて、東京の電車では珍しく、僕は座っている。

そしてこの時間帯は「日本は何だかんだ言って平和や〜〜ん」と思える“昼下がり”という時間帯で、
1日のなかでも電車の中がかなりおもしろい。
ウツラウツラとねむねむになってる人や、爆睡中の人、どうも挙動不審な人
(ギャル語では「キョドってる」と言うらしい。もう古いのかも・・)電話している人、
メールを書いている人、ろう人形みたいになっちゃってる人、など、さまざまで、人を見ているだけでとても楽しめる。

今もちょうど目の前に座っているおばさまは、BOXティッシュ5個パックを大切そうに抱えて、
かれこれ25分くらいは電車に乗っている。
いや、僕が乗ったときにはもうその形になっていたので、かなり長い時間、
そして長い距離その5個パックのティッシュを運んでいる事になる。
電車に乗ってまで買いに行くほど安かったのだろうか・・・、ならその店を紹介していただきたい。
そこで僕は手のひらサイズの小さいNIROをそのおばさまに向けて飛ばす。
「ねえ、ねえ、どこで買ったの?安かったの?家の近くでは売ってないの?」

そして、もう1匹を別の人に向けて飛ばす「その髪型どうなってるの?もしかして・・・」
更にもう1匹を別の人に「口開いてるよ・・」またもう1匹「さっきから1人で何か言ってる?」
もう1匹「お前がチョット詰めればもう1人座れるんだよ!!」
・・・と、この様にして僕が乗る車両は小さいNIROで一杯になる。・・・楽しい・・・。 

そしてもう1つ。これは「そういう時期」というのがあるのだが、異常に“活字中毒”になる時期がある。
何か字を読んでいないと落ち着かないのである。そういう時期はたいてい文庫本を持ち歩いているのだが、
やはり人間忘れてしまう時がある。そういう時も電車の中は実に楽しい。
「中吊り広告。」見える範囲の広告はもちろん、某学習塾の「□い頭を○くする」は大好きだし、
「結婚相談所」とか「バストアップ!」とか「○○神社」など、
とにかく自分が全然関係も興味もないものでも、すべて読み倒す。
ひどい時は全く何でもない店の電話番号をゴロ合わせで覚えようとしていることすらある。・・・楽しい・・・。
と、こんな事をしながら(あ、コレ書いてるんだけど・・)僕はトコトコと東京の街を西へ東へ行ったり来たりしている。

しかし、残念ながら東京の電車.たいていの時間帯が
カバンの中のチューブ歯磨き粉が爆発するくらい混みっ混みになってしまう。
中吊り広告を読んだり、小NIROを飛ばす余裕があるのはごく限られた時間帯だけなのだ。
「人多すぎやねんっ!!って言うか、人の割に電車の本数が・・・」
あ、着いた・・・。では、もう降ります・・。



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